OBS × Zoomでオンライン配信

OBSZoomを連携させて配信をする方法を記載しておきます。

この方法であれば、通常のZoom配信に比べて以下のようなことができるようになります。。


[目次]

ハードウェアの接続設定

音声アイコン 音声の設定

映像アイコン 映像の設定


ハードウェアアイコンハードウェアの設定

上記のようにして、オペレーター用パソコンに各機器をつなぎます。
この配線図はこちらからダウンロードできます。(PDF)

音声アイコン音声の設定

01. VB Cableのインストール

最初にVB-CABLE Virtual Audio Deviceをインストールします。
これはOBS内の音を外部に出力するために必要です。


OBS側のオーディオ設定02.OBS側のオーディオ設定

1. 使用する音声デバイスとモニターする音声デバイスを設定

OBSの画面で、メニューバー「ファイル」から設定をクリックします。


音声 > グローバル音声デバイス

デスクトップ音声
マイク音声
それぞれ入力に使いたいものを選択します

音声 > 詳細設定

モニタリングデバイス
CABLE Input (VB-Audio Virtual Cable)を選択します


2. 音声ミキサーからモニタリング出力を設定

音声フェーダー(デスクトップ音声やマイクなどのフェーダー)横にある3点マークをクリックし、「オーディオの詳細プロパティ」を選択します。

「音声モニタリング」の項目のドロップダウンから
「モニターと出力」を選択します。


3. VBCableの詳細設定とサウンドチェック

VBCableから音声が受け取れるようになっているか、チェックします。

  1. タスクトレイのスピーカーアイコンを右クリックして、「サウンドの設定」を開きます。
    サウンドの設定

  2. スピーカーの設定からVBCableの出力設定の項目を開きます。サンプリングレートを16bit 48kHzに合わせます。既定のデバイスはオーディオインターフェースにあわせておきます。(オペレーターはオーディオインターフェースのヘッドフォンアウトから音をチェックします。)
    サウンドの設定

    サウンドの設定

  3. スピーカーの設定からVBCableの入力設定の項目を開きます。サンプリングレートを16bit 48kHzに合わせます。既定のデバイスはオーディオインターフェースにあわせておきます。
    サウンドの設定

    サウンドの設定

  4. オーディオインターフェースにもファームウェアのセッティングソフトがあれば、設定を48KHzに合わせます。
    サウンドの設定
    ここまでの設定でサンプルレートをすべての入出力で合わせることで、VBCableが正しく音声をZoomに伝えるようになります。

  5. サウンドテストをします。外部のPCからのライン入力を流しながら、マイクで話します。
    サウンドの設定
    再生してオーディオインターフェースのヘッドフォンモニターからチェックします
    サウンドの設定

  6. インターフェースから拾ったマイク音は片耳しか聞こえない可能性があります。(一般的なオーディオインターフェースのマイク入力はLかRチャンネルだけなので)そこで、OBS側でこの音をモノラル信号へ変更します。
    サウンドの設定

    7. チェックが終わったら、もう一度マイクテストを行ってください。おそらく今度はVBCableで両耳から声が聞こえるようになったはずです。ここで聞こえる音がZoomへ送られる音量バランスです。バランスを整えておきましょう。

ZOOM側のオーディオ設定 03.Zoom側のオーディオ設定

1. マイク設定

オーディオのマイクの設定をCABLE INPUT (VB-Audio Virtual Cable)に変更します。
スピーカ―の設定は オーディオインターフェースを指定します。
こうしておくことでOBSでのミックスのモニターがそのままZoomに入るようになり、かつ、返しのモニターはすべてのオーディオインターフェースから出すことができるようになります。


※ただし、参加者の声を独立して外音に出す場合はPCの標準スピーカー(もしくはPCに接続したスピーカー)を選択します。これで参加者の返答が会場内で外音として聞き取れるようになります。
(ハウリングに注意してスピーカーの音がマイクに向かないようにします。)

2. マイクモードの変更

Zoomは発言者の声をなるべく聴きとりやすくするために、ノイズリダクション機能が最初からONになっており、これによりBGMが小さいと全く聞こえなくなります。BGMもしっかりミックスされて配信されるように、マイクモードの設定をミュージシャン用オリジナルサウンドに変えます。

オーディオの設定

おまけ:VBCableのOutputをモニターできるようにする

オーディオインターフェースがない場合、配信中の音声をモニターできないので、以下の画像のように、OBSの出力先であるCABLE Output (VB-Audio Virtual Cable) をWindowsサウンドコントロールパネルから「このデバイスを聴く」設定に変えます。

  1. タスクバー右下のスピーカーマークを右クリックして「サウンドの設定」をクリックします

sound-control1

  1. システムの詳細設定から「サウンド」(Windowsサウンドコントロールパネル)> 録音タブ > CABLE Outputを選択 > プロパティをクリックします。

sound-control2

  1. CABLE Outputのプロパティより、「聴く」タブを開き、
    • ☑ このデバイスを聞くにチェック
    • このデバイスを使用して再生する: の項目から接続したモニタリングデバイスを選択します。

sound-control3

OKを押して完了です。
これで、視聴者に届く音声をモニタリングすることができます。


音声のトラブルシューティング

音声にプチノイズが載る場合は、OBSの入力時のビットレートを確認します。デフォルトのビットレートは160ですが、192に変更してみましょう。
以下のようにして、設定画面から、 出力 > 音声ビットレート を変更します。

ビットレートの変更

※オーディオに関しては、この設定では若干のレイテンシ(遅延)が発生します。低遅延のリアルタイムモニタリングを実現するには、オーディオインターフェイスを使用し、ASIOドライバを用いてレイテンシを最小にします。

オーディオに関する知識

インピーダンスとは/DIの使い方/バランスケーブルとアンバランスケーブル/ステレオミックス時の逆位相によるセンターキャンセル etc..
以下のリンクにオーディオに関する知識をまとめました。

オーディオに関する知識

映像アイコン映像の設定


カメラや外部パソコンの映像は基本的にそのままHDMIケーブルを繋いだだけでは移りません。キャプチャーボードを介して取り込みます。

OBS側のビデオ設定01 .OBS側のビデオ設定

1. 一般設定

スクリーンキャプチャからOBSウィンドウを非表示にする
にチェックを入れます。

  • これをすることで、デスクトップ画面を共有した際、合わせ鏡のように画面が無限ループしてしまう状態を回避できます。(その代わり、OBS画面のスクリーンショットも撮れなくなってしまいます。スクリーンショットをする際は外してください。)

2. シーンの作成

映像信号をパソコンにつないだら、ソースから映像キャプチャーデバイスを選択します。目的の映像を表示します。シーンを分けて複数の映像シーンを作ることができます。またソースの+ボタンから映像以外のパーツを入れることも簡単にできます。
映像の設定

映像の設定

3. 仮想カメラへの出力

これらの設定が整ったら、仮想カメラへの出力をします。この信号をZoomで拾うことができるようになります。

映像の設定


Zoom側のビデオ設定01 .Zoom側のビデオ設定

1. ビデオ設定を仮想カメラにする

仮想カメラの映像を受け取ります。
映像の設定

2. 画面共有の設定

通常Zoomの画面共有では、デスクトップ全体や特定のウィンドウの映像を共有するため、参加者はその共有された画面を大きく表示して視聴することになります。

今回はデスクトップ自体ではなく、「OBSからの映像を共有したい」上に、参加者に「一画面での視聴を強制したい」ため、Zoomの「第2カメラのコンテンツを共有」という機能を使用します。

※ 第2カメラ共有とは、画面共有にカメラの映像を使うことができる機能です。通常は講師の顔とは別に手元カメラなどを画面共有として表示させる機能ですが、ここにOBSからの仮想カメラ映像を割り当てることで、OBSの映像を共有画面として提示できます。

画面共有の詳細タブから設定します。なお今回はオペレーターパソコン自身のデスクトップからは基本的に音を出さないので、サウンドの共有はオフにします。
映像の設定
映像の設定

また、Zoomのデフォルトのカメラは基本的にOFFにしておきます。これはパワーポイントなどの操作時に小窓で登壇者の顔が映ってしまうことを防ぐためです。

これで配信時には常にOBS画面からの映像を大きな一画面での視聴に固定して配信することができます。

3. 色調補正のオフ

Zoomが勝手にビデオの外観を補正するのを防ぎます。こうすることで不要な白飛びやボケがなくなります。

ビデオ設定をクリックします。
映像の設定

外観の項目をすべてOFFにします。
映像の設定

これで、OBSの映像をほとんど無加工の状態で純粋にZOOMに転送できます。

4. Zoom録画の解像度について

Zoomの録画は録画したパソコンの画面解像度に依存します。また設定でHDのチェックを入れ、かつアカウント管理画面で適切な設定がされていないと、1920×1080のフルHDサイズにはなりません。

以下の条件を満たすことで、1080pの画質で録画できます。

🎥 ZoomでフルHD録画できる条件一覧表

項目 必要条件 補足 / 注意点
Zoomアカウント種別 有料プラン(Pro / Business / Enterprise) 無料アカウントでは基本的に720pまで
1080p有効化設定 グループHD(1080p)を有効化 Zoom管理画面で設定可能
表示されない場合は Zoomサポートへ申請が必要
Zoomクライアント設定 PCアプリ → 設定 → ビデオ → HD にチェック これを入れても 720p止まり なので、上のグループHDが必須
ネット回線(上り速度) 6〜8 Mbps 以上 安定 帯域が不足すると自動的に720pに落ちる
CPU / GPU負荷 CPU 40%以下推奨 Zoomは負荷が高いと解像度を下げる
カメラ(Webカメラ / カメラ機材) 1080p対応カメラ 例:Logicool C922 / Elgato Facecam / ミラーレス + キャプチャボード など
画面共有の場合(スライド / デモ画面) PCのディスプレイ解像度が 1920×1080以上 画面共有の解像度は 画面そのものの解像度に依存
クラウド録画 配信時に1080pが有効であること 配信解像度がそのまま録画解像度になる。1080pで送れなければ録画も1080pにならない
ローカル録画 ローカル録画は1080pが出やすい PC性能が十分ならクラウド録画より1080p成功率が高い

5. おまけ(スイッチャーについて)

Zoomの画面を表示しながら、手元で瞬時にOBSのシーンを切り替えるための機材もあります。

以下のようなスイッチャーを使うと実現できます。


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以上でOBSとZoomを連携させた配信設定の方法はすべてです。